さよなら、ぼくらの千代商店 岩崎書店

「一 あの日のスキップ 倉沢英太」「二 夢のある子が育つ家 水沢嬉々」「三 うさき小屋の友だち 羽沢美織」「四 つながるハナウタ 早川翔也」の四編からなるオムニバス作品。

中学受験を控えて父親との関係に悩む倉沢英太、母子家庭の母親とうまくいかない水沢嬉々、友だちができず孤独な世界に入っていく羽沢美織、そして、母親の病気のことで心が落ち着かない早川翔也と、それぞれ悩みを抱えた主人公たちが、不思議な水色のバスに乗って千代商店へとたどり着きます。

千代商店とは、主人公たちが幼いころに通っていた千代ばあちゃんのお店のこと。

日用品や駄菓子のならぶ店内には、丸いテーブルとイスが置かれてあって、だれでも、一休みすることができるようになっています。

その店先には、かわいらしい男の子のようなお地蔵さんが立っているのですが・・・。

「ここではないどこかへ行きたい」と願う主人公たち。

そんな彼らを、やさしい奇跡が包み込みます。

受験戦争やいじめの問題。

社会に潜む差別と不公平。

現代の子どもたちを取り巻く社会的課題をしっかりと見すえながら、本当の自分らしさ、本当の人間らしさに気づいていく子供たちの姿が丁寧に描き出されています。

水色のバスはどこからやってくるのか?なぜ、千代商店にたどり着くのか?

毎日小学生新聞に連載され好評を博した、ミステリアスな珠玉の短編作品集。