ゲームが大好きな小学四年生の快は、何をやっても初めだけ。
口ではいろいろ言うけれども、結局は、中途半端にやって中途半端なままあきらめてしまうような男の子。
そんな口先だけの生活がたたって、ある日、とうとう、お母さんから大好きなゲーム機を取り上げられてしまう。
将来はゲームを作る人になりたいからと通わせてもらったプログラミング教室もやめさせられそうになり、あわてた快は、「こんなのだってあるんだよ」と、ついロボットコンテストのチラシをお母さんに見せてしまう。
それが、きっかけで何もわからないロボットプログラミングの勉強をする羽目になり、さらには、小学生ロボットコンテストに参加しなければならなくなる快。
本当は、ゲームのプログラミングを学びたいのに。
初めのうちこそ親切に接してくれたロボットプログラミングの教室で一学年上の真斗も、ロボットプログラミングをいやいや始めた快の経緯を知ってからは、冷たい態度をとるようになる。
そこへサッカーに情熱を燃やすものの、けがで試合に出場できなくなった同級生の灯里も加わり、快たちは、小学生ロボットコンテストの地区予選に出場することになるのだが・・・。
なかなか団結できない、それぞれに個性的な三人が、ロボットコンテストでの全国大会出場という目標を掲げて、しだいに心をひとつにしていく過程が丁寧に描かれている。
ロボットコンテストにサッカーという別の要素が加わることによって、快たちの視野が広がっていく様子が、本当に大切なことは何かを教えてくれる。
小学校中学年以上向き。