まっしょうめん!木刀の重み

サムライガールシリーズも、四巻目に突入しました。

今回のお話は、第二巻で登場した高木くんが再登場。

もともとの困った性格がさらにパワーアップして、成美を振り回すことになります。

剣道の級審査を受けることになった、成美たち「瑞宝寺剣道クラブ」の面々。

そもそも、剣道に級というものが存在することすら知らなかった成美は、その審査の厳格さに、いきなり目を回してしまう。

級審査は二段階になっていて、まず、切りかえしと立ち合いの審査で一級とか二級にわけられ、その後、木刀による基本技稽古法をやって合否が決まる。

基本稽古法は、二人一組で元立ちと掛り手を担当し、一級は九本、二級は六本、三級は四本の基本技をおぼえればいいのだが、これが、なかなか難しい。

同じ道場仲間の茜や浩二郎と組んで稽古をつけてもらっている成美は、二人のスピードについていくのがやっとというありさまだった。

そんな時、やはり道場仲間の太一から、今度の学習発表会でみんなに基本稽古法を披露しようと持ちかけられる。

学習発表会とは、小学校最後の二月の参観日に、個人、グループを問わず、体育館で好きなことをやって親に見てもらうというもの。

これなら、稽古をしながら発表会の出し物の練習もできて一石二鳥と喜ぶ成美だったが、なんと、太一は、例の問題児、そのオレ様的な性格ゆえに、今は所属していたサッカーチームからつまはじきにされている高木くんに、一緒にやらないかと声をかけてしまう。

成美は、数日前、給食缶を床に落としてクラスのシチューをぶちまけてしまうという大事件を高木くんとおこしていて、すべての責任を一方的になすりつけてくる彼とは、できるだけ関わりを持ちたくなかったのだが。

木刀を使った級審査のエピソードを基本軸に、物語は、相手と真摯に向き合うことの大切さを読者に訴えかけてくる。

それは、剣道においても日常生活においても同じことであり、成美は、わがまま放題の高木くんと向き合うことで、自分の弱さ、高木くんの隠された悩みに気づかされていく。

終盤には、第三巻の錬成試合で茜と引き分けたほどの実力者、柳田くるみや、癒し系の五条先生も再登場し、成美の級審査を盛り上げる。

はたして、できがよければ二級をねらえると監督から後押しされた成美の合否はいかに?

相変わらず、気弱でおっちょこちょい、でも、どこか憎めない成美のサムライガールストーリー。