中学生の果菜は、合唱コンクールでの事件をきっかけに、登校拒否をおこしてしまいます。
ある日、新聞広告につられて出かけた小さな美術館「たけのこ館」で、果菜は、ひとつ年上の真一という少年と出会います。
つっけんどんなもの言いで果菜を怒らせてばかりの真一ですが、彼の心には、忘れられない深い傷があって・・・。
真一の弟で、脳に障害を持つ翔君や「たけのこ館」の館長さん。
美術大生で竹工芸に熱心なやえさん。
そして、バングラデシュにいる親友の樹里。
さまざまな人たちとの出会いとはげましによって、 果菜は、少しずつ前を向いて歩き出します。
人それぞれに形はちがっても、つらいことや悲しいことがあり、だれもが目に見えない戦いをしているのだ。
そんな著者のメッセージが伝わってくる、限りないやさしさにあふれたデビュー作。